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幸兵衛窯とさかづき美術館・ミシュラン観光ガイドで二つ星(多治見市市ノ倉)

ミシュラン観光ガイドで、二つ星の施設として案内された「さかづき美術館」と「幸兵衛窯」

さかづき会館・テラス

さかづき美術館がある、岐阜県多治見市市之倉町は江戸時代から明治時代にかけて陶器の町として栄えました。
瀬戸市から多治見市にかけての瀬戸、多治見丘陵地帯は良質の粘土を産出することから、古くから陶磁器産業が栄え隆盛を誇っています。


多治見市市之倉町は、多治見と瀬戸市との境に位置する小さな町です。瀬戸市からのダラダラと続く丘陵地帯を登り詰めた処に、東西に流れる市之倉川に沿うようにして町が拡がっています。


山間地である市之倉町は土地が狭く、道路も荷馬車がやっとの思いで通るほどの狭いものでした。

皿や茶碗などの大きな陶器を運び出すにはあまりにも道幅が狭いため、小さくても値段が高く販売できるさかづきの生産に特定しました。


高度な技術を持つ職人が多くいた事から、多治見市市之倉町は他のさかづき産地を凌ぐ製品を造り続け隆盛を極めました。

さかづき美術館は市之倉町で造られたさかづきを一堂に展示。人間国宝の茶碗が一同に展示されその色合いと造詣に圧倒される。

さかづき美術館

さかづき美術館は、市之倉町で作られた高度な技術が花開いた江戸時代から明治時代の貴重なさかづきが展示してあります。


たかだか直径5cmにも満たない小さなさかづきに施された染付けは、とても精緻で美しいものです。

その他、美濃焼産地を代表する人間国宝「荒川豊蔵」「加藤卓男」「鈴木蔵」や「加藤幸兵衛」「加藤孝造」「加藤唐九郎」「加藤土師萌」「塚本快示」などの8人の巨匠による陶器が展示してあります。

巨匠達の作品を見る機会はあまりありませんが、それが一同に並んでいる光景は素晴らしいものです。


なお、施設は協同組合陶の里いちのくらが運営管理しています。美術館内に併設されたギャラリーは、市之倉町を主とした窯元や陶芸家の製品が販売されています。


市之倉町は、多治見といえど瀬戸市に近く、また道路も混雑しているため、地元の人にとっても、少し距離感のある町ですが、一度は出かけてみる価値はあります。

美濃焼の逞しさが感じられます。


開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)、年末年始

入館料:一般400円、 大学生・高校生200円、中学生以下無料
さかづき美術館と幸兵衛窯それぞれが見物できる共通券がお得です。
※共通券は600円


ところで、建物入口にそびえる木の下に「ミシュラン観光ガイド・二つ星」の石碑がありました。2008年に認定されたようです。

ミシュラン観光ガイド・二つ星は、とりあえず近くに行ったら寄ってみようとのお示しだそうです。

ちなみに岐阜県の三ツ星は高山市と白川郷だそうです。

幸兵衛窯

幸兵衛窯

幸兵衛窯は、1804年初代加藤幸兵衛により開窯された歴史のある窯元です。
開窯当時、江戸城本丸、西御丸への染付食器を納める御用窯の指定を受けました。

幸兵衛窯は、代々当主が「加藤幸兵衛」を名乗り、現在では七代目加藤幸兵衛が幸兵衛窯の当主として作陶活動を行っています。

六代目当主だけは加藤幸兵衛を名乗らず、加藤卓男として活躍しました。

古代ペルシャ陶器の斬新な色彩や独創的な造形、釉調に魅力を感じ、西アジアでの発掘研究を経て幻のラスター彩の復元をはじめ、青磁、三彩、ペルシャ色絵など高い芸術性を持つ異文化と日本文化の融合に成功しました。


昭和55年には、宮内庁正倉院より、正倉院三彩(奈良三彩)の復元製作を依頼され、約9年の研究の末「三彩鼓胴」「二彩鉢」を納入しました。


このように、数々の文化的な功績により平成7年には国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)の指定を受けました。

「幸兵衛窯リーフレットより抜粋」

七代目加藤幸兵衛による二彩鉢

二彩鉢

幸兵衛窯・福井県大野市から移築再生した200年前の古民家

幸兵衛窯・古民家

幸兵衛窯・古民家室内

幸兵衛窯には、陶房の他に、本館、古陶磁資料館、工芸館などがあり、入場料を払えば何れの施設も入館が出来ます。
特に、古陶磁資料館は福井県大野市から築200年の古民家を移築再生したもので、その重厚な建物に圧倒されます。


建物の室内は三階建て構造で、8寸の桧の柱や太い梁が露出しており、古民家独特の雰囲気に心が和みます。
建物の室内、展示品などは写真撮影が可能だそうで、本館受付でその旨を申し出れば快く受けてもらえます。


室内は李朝時代の家具であるバンタジとステンドランプが配置され、古民家の燻しのような柱とうまくマッチして独特の雰囲気を漂わせています。


建物入口はタイル貼りの土間にペルシャ絨毯が敷かれています。多くの見物客に踏まれ続けたペルシャ絨毯は、幾分かお疲れ気味のようで、色褪せて往年の輝きはありません。

思えば建物入口の土間だけでおよそ40畳はあろうかと思える広さで、これに二階、三階を含めると掃除が大変だと勝手に心配したりしてしまいます。


ところで、100坪はあろうかと思われる立派な古民家ですが、さぞかしお値段はお高い事と思われます。


しかし、持ち主にとっては解体をどうしようかと悩む産物のため値段自体は謝礼程度だそうです。

ただ、解体には人手を要する事から機械解体とは異なりおよそ1.5倍の解体費用が必要になるそうです。
100坪ですと解体費用と謝礼でおおよそ5,6百万。


建物の状態が良ければ、材木はそのまま使用可能で、購入すれば一本20万円相当の柱が何本も利用出来ます。これに、解体材の保管料と再生費用が加わり、新築したらとんでもない金額になる建物がリーズナブルに建てられます。

ポイントは設備に金をかけない事、自分で出来る事は自分でやる事ですが、土地と金があればこのような重厚な家に住んでみたいものです。繰り返しになりますが、掃除は大変です。とても他人ごととは思えません。

地図はここをクリック

幸兵衛窯。HP

市之倉さかづき美術館

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